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理学系研究科化学専攻 菅 裕明教授が「第2回神戸賞大賞」を受賞

掲載日:2025年5月1日

中谷財団が設立40周年を記念して設立した「神戸賞」の第2回受賞者に、本研究科化学専攻の菅裕明教授が選ばれました。
 
菅教授が、生命科学と理工学の融合境界領域で独創的な研究を進める研究者を対象とした本賞を受賞されたのは、これまで進めてこられた「特殊ペプチド創薬の開拓とイノベーション」が高く評価された結果です。この度の受賞対象となった研究内容を簡単にご紹介いたします。菅教授は、独創性が極めて高い「フレキシザイム(人工リボザイム)」を駆使した「RaPIDプラットフォーム」技術を開発し、鋳型mRNAからさまざまな非タンパク質性アミノ酸を組み込んだ「特殊環状ペプチド」の翻訳合成することに成功しました。
 
これら一連の技術開発の根底には、生物に普遍遺伝暗号を自在に書き換えることを目指した基礎研究の成果・蓄積があります。さらに、この技術は疾患原因となる標的タンパク質に強く結合する薬剤を高確率かつ迅速に探索することを可能にし、その結果として中分子医薬品として知られる「特殊ペプチド創薬」分野の開拓につながりました。この技術は多様なタンパク質阻害剤、活性化剤の発見とその作用機序に関わる基礎・応用研究を加速するとともに、空前の汎用性ゆえに現在、国内外の医薬業界における創薬分野で広く活用されています。
 
菅教授は、2023年にウルフ賞、2024年に日本学士院賞を受賞されるなど、基礎研究から応用研究、さらにそれを社会実装するイノベーションに至る幅広い研究活動が高く評価されています。この度の神戸賞のご受賞をお慶び申し上げるとともに、益々のご発展を祈念いたします。
 
第2回神戸賞
 
(文責:理学系研究科化学専攻 教授/専攻長 佃 達哉)
 
【化学専攻 教授 菅 裕明 受賞コメント】
この度は神戸賞を受賞するにあたり身に余る栄誉と感じると同時に、研究室内外の多くの優れた学生、研究者、スタッフにもあらためて感謝申し上げます。今後も日本の科学技術発展のため、基礎研究からイノベーションまで研究室一丸となり取り組んでいきます。
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